荒野の牧場

観た映画についてメモします。

『怪獣総進撃』でゴジラの息子ミニラを可愛く感じるようになったというメモ

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』がもうすぐ公開するということで、その宣伝としてなのか、Amazonプライムで全ゴジラ映画が観放題になっている。今回はゴジラだけでなくモスララドン、そしてキングギドラも登場して大怪獣バトルが観られる、らしい。そういう内容のようだというのを予告で観て、過去作を観る気になり、さっそく行動を起こす。

といっても、未見の作品を中心にという感じなんだけど。

 

そんな中で観た『怪獣総進撃』は大層面白かった。

もうゴジラ含め様々な怪獣は地球の人々によって怪獣ランドという島で管理されているのだが、それが謎の宇宙人の襲来によって島から飛び出し、世界各地で大暴れする。実はその暴れるのにも理由があって……という筋書き。アクションに次ぐアクションで繋ぐ展開は観ていて飽きないし、宇宙船SY-3のデザインはペンシル状のスマートさでカッコいい(ドッキングや車両格納なんかのギミックも堪らない)。上空から怪獣や大地を走る戦車を捉えた特撮映像なんか、これだよなこれ、という気持ちにすらなる。

終盤の空中戦なんて最高だ。

 

そんなところでミニラだ。

ミニラとは調べてもらうとすぐ分かるが、ゴジラの息子だ。メインの作品が二つほどある。『ゴジラの息子』と『オール怪獣大進撃』だ。後者は少し特殊な作品だけど。前者はナショナルジオグラフィックスの動物ドキュメンタリーを見ているかのような味わい深さがあって、特にラストカットはグッとくる。怪獣を動物としての側面から見た時に非常に素晴らしい場面だ。やっぱり親子なんですよ二人は!

 

とはいえそんなミニラ、自分は昔は好きじゃなかった。というのも自分が初めて触れたゴジラ作品は90年代のVSシリーズで、それにもゴジラの子どもが出てくる。それがベビーゴジラだ。自分の中ではそれがゴジラの子どもだった。だから当時昭和のゴジラ映画の紹介か何かでミニラが出てきた時は、拒否感が猛烈にあった。ゴジラに子どもがいることについては拒否感は無かった。だってベビゴジがいるんだから。そりゃいたって良いだろうと。

 

しかし最近は「まぁゴジラだって色々作品あるし、こういうのだってありだよね。好きな人もいるし」と思ったりしていた。そんな時に観た『怪獣総進撃』だ。

ここからは『怪獣総進撃』のネタバレなので注意。

 

怪獣総進撃』では終盤に富士山周辺でキングギドラゴジラを筆頭とした怪獣達の激闘が描かれる。怪獣が集合していっちょやったるかといった風に佇む姿は言葉は無くとも「アベンジャーズ アッセンブル!」な雰囲気を感じて、少し燃えた。実際は人間側に操られているのでどの程度自分の意思があるのかちょっと分からないが。

 

各怪獣達が全力を尽くしてキングギドラに挑む。モスラやクモンガは糸を吐いて動きを止め、アンギラスは噛み付き、ラドンは羽をばたつかせて砂嵐を巻き起こし、ゴジラは全身を使って掴みかかる。いや、壮観だ。

 

それをミニラは脇で、はしゃいでいる。何をしているんだ君は。

他の怪獣達が頑張っているのに、君はなんではしゃいでいるんだ。というかなんで君は来たんだ。親の応援なのか。

などと色々と想いが頭に浮かんだのだが、その全身で喜びを表現しているようなはしゃぎっぷりが、とても可愛く見えた。正直自分でも驚いたが「しょうがねぇ奴だなこいつは」とおおらかな気持ちで見ている自分がいた。

もしかしたらこのはしゃぎっぷりはいま画面の目の前で起きている激闘に胸を躍らせている観客である自分を投影しているのかもしれない。

怪獣達の血が噴き出す戦いを見て喜びを見出す君もまた怪獣なのだと突き付けてくる存在がミニラだったのだ。

 

というのが制作側の意図なのかどうかは置いておく。

ともかくキングギドラと怪獣のバトルにはしゃぐミニラが可愛かった。

ちゃんといるだけじゃなくて攻撃もするからね。とどめは君みたいなもんだからね。

その後に倒れたギドラをバンバン踏みつけるんだよね。やっぱり容赦ないですわゴジラの息子さん。

 

きっと時間が経てば色々赦せるようになっていくんだろう。あと一つのジャンルで色んなものが作られたら次第に「こういうのもアリだよね」って気持ちにもなる気がする。

だから貞子もこれからどんどん作って下さい。何なら色んな映画監督による『貞子アンソロジー』を作って下さい。女性の映画監督による貞子とか観てみたいですよ自分は。

なんか話が脱線してきたので終い。

 

 

怪獣島の決戦 ゴジラの息子

怪獣島の決戦 ゴジラの息子